神奈川県立高校入試試験を分析してみる!傾向と対策
神奈川県立高校入試は難しい
以下、神奈川県の公立高校の例を軸にお話し進めていきます。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜 学力検査の結果」
共通選抜(全日制の課程)の合格者の教科別平均点 (満点は100点)
外国語(英語) | 国語 | 数学 | 理科 | 社会 | |
---|---|---|---|---|---|
H30 | 56.1 |
65.6 |
56.0 |
45.3 |
41.8 |
H29 | 51.9 |
73.1 |
63.5 |
46.9 |
54.5 |
H28 | 43.0 |
64.7 |
51.7 |
46.5 |
52.0 |
抜粋:神奈川県教育局
これ、平たく言いますと、過去3年分の神奈川県の公立高校入試試験の合格者の平均点です。
紛らわしいですが、受検者じゃなく合格者の平均点です。
ですから、受検者平均はもっと下がります。
見ていかがですか?
神奈川県立高校入試結果について
私は、2つ疑問がわきました。
- まず1つめです。
- さて、2番目の疑問です。
全体的に、点数、低くないですか?
普通、公立の試験って各科目60点平均で、試験を作るもんと違うんですか?
それが、試験作成者の腕の見せ所なんじゃないですか?
なんでかな、と、文部科学省やら、教育委員会やらの文章をいろいろ読み漁ったんです。
答えは、どうやら2つ考えられます。
①1つ目は、特に成績優秀者になりますが、「簡単な問題だと、差が付かない」ってことなんでしょうね。
入試とは、受検者に順番をつける、ってのが趣旨ですもんね。
だからなんですね。まーしょうがありません。
定期テストは習熟度を測るため、入試は落とすため、って事でしょう。
ですので、現に、東京の2018年度入試では、日比谷、戸山などの上位校は、高校が国語・数学・英語の3教科について問題を自校作成して入試を行ったらしいです。
神奈川でも、上位校は特色検査ってのを設けてる学校があります。
特色検査っていうのは、本試験にプラスして、記述・スピーチ・グループ討論などを得点化します。
②二つ目は、ちょっと相反しますが、高校進学率が98.8%にもなり、ほぼ全入時代となったため、生徒の学力に開きが出てきている、という問題もあるようです。
以上が、平均点の押し下げ要因です。
理科と社会の平均点、低くないですか?
単純に、試検内容が難しいんでしょうね。
で、何でこんな偏りがあるのか?
娘が中三の12月になるまで、話題に出してこなかったんで、私、知らなかったんです。
何で他教科と、こんな偏りがある試検問題を作るのか、ググってみたんですけど。
分かりません。
神奈川県立高校入試合格には、理科と社会を攻略せよ!
神奈川県立高校の理科を分析する
では、理科、社会の平成30年度の入試結果のデータを例に、分析してみましょう。
まず、理科です。
- 公立高校合格者の理科の点数のボリュームゾーンは、31点~40点が18.6%です。
- 21点から50点の生徒が、全体の51.8%で半数を超えます。
マークシート+記述式3問。選択肢は4つか6つ。
分野内容は、物理、化学、生物、地学が各7問の計28問です。
出来が悪かった7問の内容を紹介します。
ワースト | 分野 | 問題内容 | 正答率% |
---|---|---|---|
1 | 地学 | 地域Aより前の時刻に前線による雨が降り出した地域が、地域Aの どちら側かを選択し、この前線の進む速さを求める | 11.3 |
2 | 物理 | 3方向に投げ出した物体が地面にぶつかる直前の速さの関係を選択する | 16.9 |
3 | 地学 | 積乱雲による激しい雨が降り始めたと考えられる時刻の風向、気温 や湿度ようすをそれぞれ選択する | 18.8 |
4 | 物理 | 2つつないだ電熱線の種類とつなぎ方を選択する | 23.1 |
5 | 地学 | 透明半球を用いて記録した太陽の位置を神奈川県と沖縄県で比較する | 26.6 |
6 | 化学 | 亜鉛板とつないでいるオルゴールの端子と、亜鉛板の表面で起きていることについての組み合わせを選択する | 27.8 |
7 | 生物 | 葉のどの部分からの蒸散の量を表しているかを選択する | 29.9 |
(私、文系だったんで、物理とか化学っていうと、身構えちゃいますけどね。)
あにはからんや、意外に地学の天気や気象に関しての問題が、出来が悪いです。
生物、地学は、暗記が中心の印象がありますが、複合した知識が求められるんでしょうね。
勉強法ですが、理科は、各分野の単元ごと、丹念につぶしこみしていくことだと思います。
中学の理科|Z会レビュー
神奈川県立高校の社会を分析する
次に社会を分析してみます。
同じく、平成30年度の社会の入試結果のデータになります。
- 公立合格者の社会の点数のボリュームゾーンは21点~30点が21.6%です。
- 21点から50点の生徒が、59.1%で、およそ6割と考えていいでしょう。
マークシート+記述式5問。選択肢は4か6つ。
地理12問、歴史14問、公民が10問の計36問。
一部、地理歴史の複合問題があります。
出来が悪かった7問の内容を紹介します。
ワースト | 分野 | 問題内容 | 正答率% |
---|---|---|---|
1 | 公民 | 日本銀行の金融政策について正しいものを選択して文章を完成させる | 19.2 |
2 | 歴史 | 商品作物の発展に伴って干鰯などの肥料が高騰していることを、資料から読み取って選択する | 20.3 |
3 | 公民 | 農家の少子高齢化の状況を表から読み取って選択し、文章を完成させる | 23.7 |
4 | 歴史 | 大正から昭和時代の初期の社会の様子を正しく述べたものを選択する | 26.4 |
5 | 地理 | 長野県の抑制栽培及び高知県の促成栽培の特徴をグラフから読み取って選択する | 27.3 |
6 | 歴史 | 飛鳥時代における日本と大陸との関係、国内政治の動向について古い順に並べる | 27.6 |
7 | 公民 | 消費税の特徴について正しいものを選択し、間接税であることを答える | 27.7 |
公民が悪いです。
3問ランクインしてます。
そもそも問題数が、歴史・地理より少ない10問です。
日銀の金融政策や消費税といった、経済分野が弱いんですね。
この辺は、教職の方より、一般のパパママの方が詳しいかもしれませんね。
家庭でもニュース解説してあげて下さい。
あとは、表やグラフや資料の読み取り力。
対策は、いちいち、資料集や地図帳で確認することですね。
地図帳の後半って、いろんなデータも記載がありますよね。
普段から、その町に行ったり、住んだりしたと仮定して、「言葉、宗教、人種、歴史、経済、地形、気候」をイメージしながら読み込む他ないでしょうね。
歴史は、例によって、必殺の「時系列並べ」。
特に、「中国の歴史との対比」。
昔は、「中国の歴史との対比」問題、あとは「戦争、事変、事件」の並び替え位だった記憶があります。
ただ最近は、他県の公立高校入試問題などで、関係性が薄い事柄まで選択肢に入ってる問題を見かけます。
こうなると、正解して儲けもんって印象ですが、王道としては、歴史の大きなトピック期の事象の因果関係を考えながら歴史を学ぶ、って事でしょう。
高校受験合格のために必要な事!傾向と対策
(平成31年の神奈川の理科はだいぶ易化しましたが、傾向はそうそう変わらないんではないでしょうか?)
今回、神奈川県の事例でお話しましたが、これは全部、県のホームページで開示されています。
ですので、他都道府県の皆さまも、お子さんが受検(受験)される折は、事前に、下記の事くらいは、調べた方がいいです。
私立も同様です。
こうだろう、と思っていた事が、実はかなり変わっていた、何てことがあるかもしれません。
・過去の問題にサラッと目を通し、分量を見る。
・傾向を見つけ出す。
・合格点を知る。
・受験生平均点、もしくは合格者平均点を知る。
皆さまのお子さんの検討を祈ります!
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