勉強になる名探偵コナンの学習漫画|シリーズ解説!
名探偵コナンが、少年サンデーに連載が始まったのが1994年です。
ですから、かれこれ25年、TVや映画で親しまれているんですね。TV視聴率も好調です。映画の興行成績も「紺青の剣」が、もうちょっとで100億円まで行きそうなんですね。
そんな「名探偵コナンの学習漫画について」こちらでは解説していきたいと思います。
日本史探偵コナンシリーズ全12巻
- 日本史探偵コナン1縄文時代 原始世界の冒険者(タイムドリフター)
- 日本史探偵コナン2弥生時代 ひとりぼっちの女王(リトルクイーン)
- 日本史探偵コナン3飛鳥時代 霧の中の異邦人(ストレンジャー)
- 日本史探偵コナン4奈良時代 裏切りの巨大像(モニュメント)
- 日本史探偵コナン5平安時代 十二単の好敵手(ライバル)
- 日本史探偵コナン6鎌倉時代 五条大橋の相棒(デスティニー)
- 日本史探偵コナン7室町時代 疑惑の花舞台(カーテンコール)
- 日本史探偵コナン8戦国時代 あかね色の落城(カタストロフィー)
- 日本史探偵コナン9江戸時代 幻影の八百八町(メガロポリス)
- 日本史探偵コナン10幕末 暗黒の羅針盤(コンパス)
- 日本史探偵コナン11明治時代 機械仕掛けの記念碑(メモリアル)
- 日本史探偵コナン12昭和時代 焼け跡の綿帽子(タンポポ)
コナンシリーズでは最新のシリーズですね。各冊各時代、読み切りでマンガ中心の仕上げです。小学校低学年向けです。文字も大きくて見やすいデザインです。
各時代にタイムトラベルする主人公たち「タイムドリフター」を、コナン君が現代からサポートするという設定です。「歴史って何?歴史の何が面白いの?」っていう初学者向きでしょうね。興味へのとっかかりになると思います。A5サイズで、普通のコミックサイズよりは若干大判。見やすいです。
名探偵コナン理科ファイル 11巻
- 名探偵コナン理科ファイル 植物の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 昆虫の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 天気の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 動物の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 太陽と月の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 人のからだの秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 星と星座の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル デジカメで自由研究
- 名探偵コナン理科ファイル 力と動きの秘密
- 名探偵コナン理科ファイル 空気と水の秘密
- 名探偵コナン理科ファイル ものと燃焼の秘密
そもそもコナンの謎解きに、科学とか化学のお話は付き物ですよね。相性抜群な訳です。次に紹介する「サイエンスコナン」との違いは、「理科の教科書」に準拠した形で、テーマ設定されています。マンガの部分は8割くらいで、解説は極力少ない構成になっています。ですからコミックと思ってもらっていいでしょう。小学生全般が対象です。
名探偵コナン理科ファイル 星と星座の秘密
「星座は夜空の地図だ!」から始まる解説。太陽やその陰で日時計があるように、昔は星座の位置や動きから、季節の移り変わりや時刻の変化、方角などを読み取っていました。各季節の星座や方角、地球の各所からの見え方など解説されています。ギリシア神話にまつわる謎解きなど。
名探偵コナン理科ファイル 天気の秘密
天気に関する1冊です。雲はどうして出来るの?雲の種類、いろいろな観測の仕方、雨や雪が降る仕組みなど、平易な表現で書かれています。昔から、天気に関する言い伝えみたいなものってありますよね。夕焼けがきれいだと明日は晴れる。朝、クモの巣がかかっていると晴れる。ツバメが低く飛ぶと雨が降る、など。こいうの「観天望気」って言うんだそうです。ちょっとした変化に注意をする習慣が身につくかもしれないですね。マンガには、天気予報士志望のお姉さんが出てくるんですが、謎解きのキーポイントもちゃんと天気に関する事象で解決していきます。
名探偵コナン理科ファイル ものと燃焼の秘密
お札、ワイン、輪ゴム、コップ、1円玉、食塩。これを有機物と無機物に分けてみましょう。
はじめのお札、ワイン、輪ゴムは有機物です。生物に由来するからです。忘れてしまってますね。お話は元素まで遡っていますから、ちょっと難しいです。「火」については、人間の生活に根付いたものですね。人類の歴史イコール、「エネルギーの歴史」と言えると思います。マンガは、特許技術に関する、船の爆破計画です。
サイエンスコナン 既10巻
- サイエンスコナン 磁石の不思議
- サイエンスコナン レンズの不思議
- サイエンスコナン 宇宙と重力の不思議
- サイエンスコナン 七変化する水の不思議
- サイエンスコナン 食べ物の不思議
- サイエンスコナン 名探偵の不思議
- サイエンスコナン 身のまわりの不思議
- サイエンスコナン 忍者の不思議
- サイエンスコナン 元素の不思議
- サイエンスコナン 防災の不思議
「なぜ?」「どうして?」にコナンが答える『サイエンスコナン』シリーズ!各タイトルに絡んで、1巻まるごと事件が勃発します。マンガの部分は9割以上で、解説は極力少ない構成になっています。ですからコミックと思ってもらっていいです。小学生全般が対象です。解説部分は、理科の本質である「実験」に重きを置いています。記載してある実験事例が、分かりやすいです。段ボールやビニールや風船や虫メガネなど、なるべくその辺にある材料で実験が試せるよう工夫されています。間違っても、ビーカーとかは出てきません。何点かご紹介します。
サイエンスコナン レンズの不思議
水や氷を使った事件解決の謎とき。凸レンズと凹レンズ、もしくはレンズを2枚重ねての実験など、捜査が試行錯誤の連続です。キャノンの工場見学の場面もあり、探求のヒントが散りばめられています。
サイエンスコナン 宇宙と重力の不思議
タイトルに宇宙とありますが、それを重力、万有引力と絡めることで、なるべく身近な不思議を解き明かしていきます。この話になると、どうしても「重さと質量」の話は避けて通れませんが、うまく解説していると思います。このシリーズは、ガリレオ工房(中学、高校の理科の先生たちを中心とした科学実験の研究・開発グループ)が監修していますが、彼らにかかると、ほとんどペットボトルがあれば実験が出来てしまう印象です。
名探偵コナン推理ファイル 19巻
- 名探偵コナン推理ファイル 地球の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 恐竜の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 昆虫の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 人類の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 環境の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 世界遺産の謎
- 名探偵コナン推理ファイル エジプト謎
- 名探偵コナン推理ファイル 数と図形の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎1
- 名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎2
- 名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎3
- 名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎4
- 名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎5
- 名探偵コナン推理ファイル 江戸の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 漢字とかなの謎
- 名探偵コナン推理ファイル 音楽の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 地図の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 農業と漁業の謎
- 名探偵コナン推理ファイル 九州地方の謎
こういった学習漫画のマンガ部分って、キャラクター先行で企画されてるから面白くない既成概念がありました。でもコナンは手を抜かないですねー。テーマに沿ってよく考えられています。
このシリーズは、小学生の中学年くらいから読めるでしょうか、なんせ大人が読んでも面白い。切り口が、国語や算数など学習教科になっている訳じゃないので、すんなりと資料にも目が行きます。
では、何点かご紹介します。
名探偵コナン推理ファイル 音楽の謎
音楽の始まりについて例えば、メソポタミアでは?古代エジプトでの祭りでは?儀式、凱旋の時に音楽は?など興味そそりますよね。他に音楽の歴史、高名な音楽家の紹介、いろいろな楽器など記述されています。音楽の種類では、京劇、能と狂言、歌舞伎、民謡等の紹介以外でも、ルネッサンス期の音楽、バロック期の音楽、様々な国の音楽、ラテン、ロックンロール、ロカビリー、ルンバ、マンボなど網羅的に音楽が説明されています。
名探偵コナン推理ファイル 地図の謎
地球はなぜ青いか、自転公転、軽度緯度、「子午線は何で子午線っていうの?」は為になりました。考えたこともなかったので。地図図法のいろいろは、中学で習うんでしたか、メルカトル図法やモルワイデ図法など、もちろん各図法のデメリットも書いてありました。三角測量による地図の作り方も勉強になりました。伊能忠敬ですね。
名探偵コナン推理ファイル 九州地方の謎
九州って切り口がマニアックですね。九州の、気候や作物、都市や工業、人口や歴史、高校入試でも九州についてはこれを読んでおけば、もう他の参考書はいらないレベルです。社会の教科の歴史や地理を、横軸で理解する力が付きますね。
名探偵コナン推理ファイル 人類の謎
最初の生命が誕生したのは35億年前、人類の祖先はバクテリアだった?この辺の話題から本編に入ります。人類がアフリカで誕生し、なぜ人類の進化が始まったのか?ネアンデルタールとクロマニヨン人の違いなど。人類はどこからきてどこへ行くのか?「遺伝子とミーム(習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報)の共存、それがこれからの人類のテーマ」で締めくくられています。
名探偵コナン推理ファイル 日本史の謎1
計5巻にわたる、日本史の謎も面白いです。普通、戦国時代とか一番エキセントリックかなと思うじゃないですか。あにはからんや、意外に一番つまらなさそうな「日本史の謎1」旧石器、縄文、弥生、古墳、飛鳥、奈良時代が秀逸でした。
「日本史の謎」って言うくらいですから、貝塚から分かる縄文、弥生各時代の食生活や埋葬の違いなど。曽我氏と物部氏の権力争いや、聖徳太子の政治、土地制度の変化は、大変よく書かれています。班田収授法→三世一身法→墾田永年私財法に変遷した理由、そして、守護の台頭ですね。
「日本史の謎3」では、武田信玄と上杉謙信の記述の次のページが、バスコ・ダ・ガマ等「大航海時代」ですから、こういう配慮は大切です。よくありますね、日本史と世界史の対比問題。
さいごに
子どもって、同じ本何回も読むんですね。毎回、新しい発見があるんでしょう。
プレゼントもいいけど、ぜひ親御さんも一緒になって、ご一読して見てください。