中学生の勉強の教え方
親が子供に勉強を教える、子供が親に勉強を教わる。
これ、中々成立しませんね。
子供が小学生くらいまでは、一方的な力関係もあって、子供も疑問を持ちません。
でも、中学生くらいになると、反抗期も手伝って素直に聞きやしません。
この過程で当然、親は「感情」が入ります。
この「感情」ってやつをほとんどの親は抑える事が出来ません。
もちろん子どもの方も、耐えることが出来ません。
よって、手っ取り早く収める方法として、外部の教育機関のお世話になることになります。
塾でも通信教育でもいいですが、私の方がそんじょそこらの先生より、よく知っていると自負しています。
でも、「感情」が邪魔して、自分の子どもとは良好な師弟関係にはもっていけません。
どの家庭でも同じような悩みがあるんじゃないでしょうか。
子供とのコミュニケーションの1つ|家庭内通信教育
という事で、あえて非接触型のコミュニケーションの取り方を1つ皆様にご提案します。
テストの添削を通じた、答案用紙越しの子供とのコミュニケーションです。
やってみましょう。
まず、中学3年の娘に、模試の問題と結果を持って来させました。
私も解いてみます。
中学の問題くらいなら、分からないところは、教科書やネットで検索すれば、何とかなります。
文字でコミュニケーションを図れば、「感情」を上手くコントロールすることが出来ます。
家庭内通信教育。赤ペンオヤジ誕生です。
娘のテストを添削してみる
【総評】
今回、国語がいい意味でお化け点数が取れたので全体的に高得点です。
但し、国語が毎回安定しているわけではないので、注意が必要です。
英語は素晴らしい。エクセレント。
理科と社会は、間違った問題を見て、そんなに悪くない事が分かりました。
今回は、問題が平易すぎて、差が出ないパターンですね。
【国語】
現代文の勉強法は実はあるようでありません。
神奈川の高校入試の国語の問題の特徴として、問題文の長さが第一の特徴です。
よって、ビジュアル的に問題文を眺めて、把握する事。
何度も読み返す必要がないようにすべきです。
集中して読み、段落を参考にして接続詞を見て、文章の構成を大まかに捉える、その訓練をする必要があります。
内容より構成です。
国語の問題の答えは、すべて問題文の中にあります。しかも大抵、近くにあります。
単なるパズルです。決して自分個人の意見は要らないのです。
【地理】
神奈川の理科と社会は難しい。ただし複合的に物知りなら簡単に解けてしまいます。
では複合的とはどういうことか?
例えば地理なら、
ある地点の経度、緯度、気候、人種、言語、宗教、食料、政治、経済(何の仕事をして生活しているか)を理解するのが地理です。
その70%位を理解すれば、世界で起こっている問題や事件のほとんどが理解できるようになります。
分からない問題も周辺知識のカバーで答えが連想できるようになります。
よって、上記の色付文を意識しながら勉強しましょう。
例えば、自動車のメーカーで有名なのは、トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・日野・ダイハツ・スズキ・いすゞです。
ドイツ車はベンツ・VW・BMW・アウディ。 アメリカ車は GM・フォード・テスラ。こんなの教科書には載っていないけど、街中を見ればわかります。
韓国は現代・起亜。フランスはプジョー・ルノー。イタリアはフィアット・フェラーリ・マセラティ・ランボルギーニ。スウェーデンはボルボ。
こんな知識が非常に大切なんです。
まだまだ、車を作れるのは工業先進国と言えそうです。
また、「軽自動車で税制優遇がある」のは、日本だけです。そうすると、道が狭い、国土が狭い、資源(石油)が取れない事は無関係とはいえなさそうです。
アメリカ車は大きいです。道が広く、国土も大きい。ガソリンも食います。アメリカではガソリン価格が日本の半分位です。
日本では、ガソリン価格の半分が税金なんですね。
貿易摩擦もありますから、日本国内だけで、生産しているわけではありません。
そうすると、消費国のアメリカや、人件費や法人税や土地の価格が安いメキシコやスペインでも日本車が生産されていたりします。
輸出入高だけでは分かりづらいです。
ただし生産国からの輸送コストはどんな商品もそうですが遠くなるほど費用がかかります。
よって、貿易相手国はおのずと絞られます。
問1(イ)5大陸を確認すること。 (オ)見た目でわかる問題です。考えすぎです。
(キ)上海と四川、広東の大体の位置が分かれば解ける問題です。
中国料理には4種類あるのですね。問題文に、海がない、下流、小麦粉、熱帯に近いなどヒントがたくさんあります。
問2高知・愛媛・広島・島根を比較する問題です。
まず米や野菜を作るには大抵、平野が必要になります。地図帳の日本列島を見て、緑色と茶色の配色を把握しておきましょう。
県の面積と山間部の多さで1が島根です。次に、果実が有名なのは、高知というより愛媛みかんかな。
高知と広島で山が多そうな4を広島にします。
【歴史】
歴史は時代が変わる時が重要です。
なぜ縄文から弥生に変わった? なぜ江戸時代から明治時代に変わった?
そこを理解すると「時代の要請」が見えてきます。 時代の変化が必要だったんですね。
問3(ア)はしょうがない。明らかにひっかけです。
一度、18歳と20歳の歴史的背景を調べるといいですね。
公民もそうですか、ポイントはいろんなことを知っていれば、点は取れます。
とにかく気になったことを調べて、言葉の周りのことも調べるんです。
そうすれば簡単に覚えられます。
白地図の都市名や河川名、山脈名を見て覚えられる人はすごいですが、ただそれだけの人です。
単語帳的な暗記は長持ちしません。
【理科】
理科はとにかく単元と目次を覚えて、何の単元ができて何ができないかをはっきりさせることです。
できない単元の問題を多くやること。それだけです。
数学と一緒です。公式を覚えて、ひたすら問題を解く。
パターンはそんなにありません。
問6については、重力とその反する力(垂直抗力)と物体に加えた力の問題で、答えを見れば簡単な話だけれど、ちょっと当たり前すぎ て分かりづらい問題です。しょうがないでしょう。
【数学】
数学は、公式を覚える、問題を多く解く。それだけです。
図は補助線の書き方をマスターする事。パターンはそんなに多くありません。
問4(2次関数)座標の見間違えかな?解決策としてはもっとわかりやすく書く事。
問6(確率)表を見ると合っているから数え間違いだね。ケアレスミスでも全く分からなくても×は×です。
問8(三平方の定理)正方形対角線から正方形の一辺の長さの求め方が違います。
もう少し細かく図を抜き出すことかな。
答案用紙を眺めてみる
答案用紙の始めの方が出来ていれば、基本の勉強は出来ていますね。
最後の方に、手つかずの問題が残っていれば、あやふやな知識の積み重ねで、時間が足りなかったのですね。
単元ごとに知識を整理しましょう。
大問の最後が出来ていなければ、応用力が無いと。
大問ごとに正解率にバラつきがあれば、不得意な単元があるのかもしれませんね。
選択問題はまあまあ出来ているが、論述はことごとくダメとか。こなした問題が少ないんですね。答え方が分からないんです。
子供と一緒になってテスト結果に一喜一憂する前に
さて皆さん、子供のテストの結果だけしか見ていないんじゃありませんか。
特に、クラスでの順番やら、学年での順番、偏差値、志望校の合格判定しか見ていないのと違いますか。
一度皆さんも、テストを解いてみましょう。解答があるなら、見ながらでもいいでしょう。
自分で解いてみて、子供がどこを間違ったのか、何は分かっているのかを把握しましょう。
きっと子供の成長を実感出来ますよ。新しい発見がありますよ。
手紙のように答案用紙を添削してあげれば、子供の成長が客観的に確認出来て、「感情」がコントロールしやすくなります。
親子のコミュニケーションの仕方もちょっと変わってきますよ。