野球とサッカーを徹底比較 | 子どもにおすすめどっち?
日本では、野球とサッカーが2大スポーツですね。全国の男子高校生の部活入部者数も同じくらいで、拮抗しています。ちなみに第3位はバスケットボールです。
子どもにさせるなら野球とサッカーどっちがいいかな?と悩まれている親御さんに向けて書いてます。細部を説明することにより、両スポーツの本質に迫れれば幸いです。ちなみに筆者は、中学の時はサッカー、高校では野球をしていました。それではどうぞ!
野球とサッカー 外観比較
費用
野球の方が装備や用品が多いのでお金が掛かります。でも、ちょっとしか違いません。野球はユニフォーム以外はウィンドブレーカーだけですが、サッカーはユニフォームは軽装ですが、大抵上に羽織るジャージが必要でウィンドブレーカーも同様に必要です。
野球のグラブとバットに匹敵するのは、サッカーの場合、スパイクとサッカーボールです。野球のグラブ、バット、スパイクは通常使いであれば、ほとんど傷みませんが、サッカーのスパイクは消耗が激しいです。
例外的にポジションがキャッチャーとファーストの場合、ミットも買わなければなりません。ただ、少年野球に限っては、チームで用意している場合もあります。
部費と言いましょうか、これも同じくらいです。但し、あくまでそのチームによりますが、遠征をよくするチームだとか、全国大会に出るチームの場合、遠征費や宿泊費が馬鹿になりません。
保護者の負担
小学生のチーム場合、子どもの送迎やチームの各種係の分担、球拾いなど、保護者の負担を求めるチームも存在します。入部後にギャップを感じないよう、入部前によく聞き取りしましょう。
人間不思議なもんで、同じ手伝いをしても、子どもの様子見がてらついでに手伝うのと、強制になるのでは、全然違いますからね。尚、中学や高校では保護者の負担は大抵求められません。
向いている体型、体格、適正
野球の場合、もちろん小兵でも活躍出来るポジションはセカンドなどありますが、基本ウェートが無いと打球って飛ばないんです。硬球だと猶更です。逆に言うと太っている位の方が、良かったりもします。
野球は格闘技に似ています。野球選手から格闘技に転向しても違和感感じませんが、サッカー選手から格闘技への転向ってイメージ湧きませんよね。
例えば、プロ野球界ではスラっといてる印象のジャイアンツの坂本選手は身長186㎝83キロ。サッカー界ではディフェンスでガタイいい方の吉田麻也選手は身長189㎝85キロ。坂本選手と同じくらいです。カープの鈴木誠也選手は身長181㎝96キロ。海外で活躍するサラゴサの香川真司選手が175㎝68キロです。サムライブルー日本代表、中島翔哉選手は身長164㎝62キロです。
サッカーは陣取り合戦です。これは相手選手との関係にも言えます。例えば左のミッドフィルダーなら相手は右のミッドフィルダーとマッチアップすることになります。いわゆる1対1ですね。体の小さな選手でも、1歩目が速く俊敏性があり、体を入れるのが上手なプレーヤーっています。こういう選手は、位置取りがいいのでヘディングでも負けません。
野球でもサッカーでも、足が速いに越したことはありませんが、速くなくても大丈夫です。
序列
国によって多少違いはありますが、サッカーの場合、背番号10番は司令塔であったり、エースであったりします。憧れの番号になります。ただ、パッサー(司令塔)が一番うまいとばかりに、ヒエラルキーの頂点ではありません。
ラグビーと一緒です。それぞれの役割があります。ディフェンスでも、サイドバックでもフォワードでも求められる技能は違います。みんな横一線です。
対して野球の場合、チームメイト同志の間に、眼前とヒエラルキーが存在します。バントがうまい、外野打ちがうまい、そう言うこと一切を勘案しても4番バッターがヒエラルキーの頂点です。
守備でもピッチャーが頂点で、センターラインのキャッチャー、ショート、セカンド、センターが続きます。一見華やかなポジションのサードはその次位です。
少年野球では、あまり球が飛んでこないので、ライトは軽視されます。但し、イチロー選手がそうであるようにプロ野球の世界ではライトは重要なポジションになります。左の好打者が多い、右打ちが出来るバッターが多い、三塁封殺の機会がある為です。
つまり、同じチームメイトでも、野球の場合、暗黙のヒエラルキーが存在します。
天候
小学生なら、悪天候で好きなスポーツが出来ない、は残念ですね。でも、野球の場合、中学生からは雨とか降ると練習が無くなったりして、言葉には言い表せないほど嬉しいものです。これは、プロ野球選手も同様のようですよ。
但し、高校なら多分ほとんどですが、中学でも一部、雨の方が嫌だったりします。校舎の廊下、もしくは屋根付きの渡り廊下を、嫌って言うほどダッシュするメニューに代わるだけだからです。精神は鍛えられます。
サッカーの場合、雷以外は、ゲームがあります。ですので、練習も同環境で行います。雨も雪も関係ありません。1987年のトヨタカップ当日は大雪で、真っ白い国立競技場で試合が行われました。ちなみに、トヨタカップとは、簡単に言うと欧州チャンピオンと南米チャンピオンのクラブ同志が対決したクラブ世界一を決める大勝負です。キリンチャレンジ的な交流戦ではありません。環境を選びません。
かっこいいのは
昔は野球選手はダサくて有名でした。がたいがいいからWのスーツで登場していました。金の太めのネックレスやセカンドバックももちろん俗世間では受けません。西崎幸広投手や渡辺久信投手の存在あたりからだいぶイメージ変わりました。
渡辺久信投手なんて、もてたってもんじゃありません。脱線しました。子どもたちが、野球部に入らない一番の理由は、昔も今もこれでしょう。坊主頭です。よっぽど似合うならいいんですが、思春期に嫌なもんですよ。学ランならいいんですが、坊主に合う私服って悩みます。
最近は長めの髪型を許容している高校がありますね。小学生は関係ないけど。昔、国見高校のサッカー部は坊主頭でした。でも例外中の例外。サッカーは、制約ありません。但し、そんな自由な風潮も見方を変えれば、「ちゃらい」と感じる人もいるでしょう。
体育で活かす
体育で野球はやりません。(と思う。)ソフトボールはやりますね。ただ、ベースやグラブ、バットなどの用意があるので、授業のコマとしてやる感じです。サッカーは、ボールがあれば出来るので、授業のコマ以外でも、機会が多いです。体育教師もほったらかしに出来ますしね。クラスのレクレーションなどでもサッカーの機会の方が多いと思います。
上下関係
あくまでもそのクラブによりますが、一般的に野球の上下関係は厳しいです。サッカーは緩い。伝統的にそうなのかもしれません。日本のスポーツ文化の1つです。他に考えられる理由は、既述した通り、野球はがたいが必要です。伸び盛りの子供の一年二年の体格の違いは、圧倒的だからです。
いじめ
圧倒的上下関係にならされた、鍛え上げた野球部員が、クラスの中でいじめられてるって話は聞いたことがありません。野球部村に属していますので、俗世間とは一線を画しています。野球部内の話は別ですけど。
社会に出てから
最近では、企業内でもフットサルチームが多いようですね。でも、年齢には逆らえません。野球は60代でも出来ます。
年俸と選手寿命
あなたのお子さんが、プロになることを想定して参考までに。あくまでマスコミに出ている推定年俸です。では、見ていきましょう。
2021年選手年俸
日本野球界最高年俸 | 田中将大(イーグルス) | 9億円 |
---|---|---|
メジャー日本人最高年俸 | ダルビッシュ有(パドレス) | 23億円 |
メジャー最高年俸 | マイク・トラウト(エンジェルス) | 39億円 |
Jリーグ日本人最高年俸 | 大迫勇也(ヴィッセル) | 4億 |
---|---|---|
サッカーJリーグ外国人枠 | イニエスタ(ヴィッセル) | 32億 |
世界最高年俸 | メッシ(パリサンジェルマン) | 45億 |
大抵他に、CM他スポンサー料が入ります。野球の方が、選手生命は長い印象です。
見て楽しい
個人の意見ですが、野球の方が圧倒的に見て楽しいです。攻守交替があるからトイレに行けるのはよく言われる話です。野球は盛り上がり曲線がありますね。
例えば、9回裏1アウト、1点差ビハインド。ランナーが出ます。送りバントでスコアリングポジションに進みます。フォアボールでランナー1、2塁。ゲッツーでゲームセット。いい当たりのヒットではランナー3塁止まり。1ヒット同点。カウント3-2。てな感じで、盛り上がりに曲線があります。
満塁ホームランで一挙4点っていうのも、サッカーには無い魅力です。高校野球では、攻守があるから、ブラバンも生きてきます。
野球とサッカー 練習比較
年齢
サッカーは小さい子でも楽しめます。
指導者
野球は指導者に負うところが大きいです。野球の技術的なことも作戦面も。ですから指導者の当たり外れは致命的です。サッカーは技術的なことは習いません。大抵、自分で見て覚えます。サッカーの監督がすることは、ポジション決定と戦術プラン作成、徹底くらいです。
(とはいえ、「技術的なことを教えることは怖い、教えられない」とノムさんと落合さんがテレビで対談していたことがあります。正解は無いから、子供の可能性を摘みたくないんでしょうね。)
球拾い
野球の練習の一つに、フリーバッティングがあります。数十個のボールを使いますので、球拾いが必要です。ファールも飛んでいきます。大抵、グランド外のがさやぶに飛びます。ボールも小さいので見つけるのに苦労します。
サッカーは、強いてあげればシュート練習時に球拾いが必要なくらい。リフティングの練習しながら球拾いも出来るっちゃ出来ます。
球拾いと声出しじゃ、うまくなりません。低学年者の待遇を確認しましょう。
練習
野球は、ポジションによって、1試合中に飛んで来る打球は数回です。1試合27アウトを単純に9ポジションで割ると、3回しか飛んで来ません。同じく打席も3回です。併せて6機会のために、腹筋、背筋、腕立て、下半身系はすべてメニューに入っています。ダッシュに長距離。既述の通り、野球はパワーが要ります。ウェイトトレーニングも必須です。
忘れてならないのは、野球にはシーズンがあります。シーズンは3月~11月位までです。寒いと手がかじかんで野球なんて出来ません。キャッチボールやティーバッティングくらいはするんですが、それ以外はひたすら上記のトレーニングになります。ボールを使える練習の方が少ないんです。面白くありません、つらいだけです。
対して、夏のサッカーは地獄です。練習は、ゲーム形式の練習が多いので、ただ走るというメニューよりは気分的に楽しいです。ただ、野球もサッカーも走ることに変わりなくキツイの一言です。
練習時間
クラブによりますので、理屈だけ。野球は、守備と打撃と走塁があります。守備は捕球と投球、そして連係プレー。打撃練習はバントもありますね。練習項目が多い分、練習時間が長いのは必然ですね。
サッカーは極端な話、球扱いだけです。
自主練
打者はひたすら素振りします。投手は、タオルの中央を持ってシャドーピッチング。守備の練習は、軟球なら壁にボールを投げて跳ね返りを捕るんですが、そうそうぶつけていい壁って最近無いですね。サッカーの球遊びはどこでも出来ます。
故障の可能性
野球は、ピッチャーの肩や肘の負担が心配されます。サッカーは、野球に比べて接触プレーが多いとはいえ、致命的な故障は少ないと思います。
野球とサッカー 試合比較
体力
野球はボールが飛んでこなかったり、ヒットを打たなければ疲れません。神経は使いますけどね。だから、試合後の練習って普通にあります。サッカーは活躍しようがしまいが疲れます。
活躍とミス
野球は実は個人競技です。ピッチャーなんて最たるもんですが、バッターも個人技です。守備もそう。活躍すれば目立ちます。打てば爽快そのもの。その代わり、エラーやタコ(打てない事)だとへこみます。
大事な試合での、タイムリーエラーなどトラウマになりかねません。守備って、ほとんど静の状態から、急に動き出しますので、実はずっと集中しています。捕って当たり前、投げて当たり前のスポーツですから、野球は引き算のスポーツですね。普通にやってゼロ点です。
サッカーは、終始動いていますから、動から動の動きは反射的に行えます。感覚的なものなので、あまり考えなくても出来ます。キーパーとディフェンスはちょっとシビアですけど、ミスしても動きの中の一部ですから、ゲームは流れます。
矢面に立たされることはそんなにありません。相手をフェイントで抜く、ヘッドで競り勝つ、シュートを決める、足し算のスポーツです。
サッカー中継を見てると、後半、疲れてる選手が交代していきます。この時、散々ハイボールを放り込まれて走り回ってる選手ではなく、さっきまで全然テレビに映らなかった選手が交代を指示されることがあります。全然テレビに映らない選手=カンと動きが悪い選手です。
頭を使う
野球は頭を使います。まずルールが難しい。フォースプレーとタッチプレーってあります。プロでも、プレーの順番におろおろする場面を見たことがあります。ゲーム中は、守備位置を確認したり、配球を読んだり、打順を考えたり(次の打者を確認する)、風を考慮に入れたり、やること一杯あります。
特に守備ではセカンドとショートがかなりのもんです。例えば、セカンドを例にとります。1アウトでランナー1塁の場面です。1塁への牽制時、ファーストベース後ろにカバーに入ります。バッターが右打者の場合、もし盗塁されたら、セカンドがセカンドベースのカバーに入る約束事のチームが多いです。
ファースト頭上にライナー性の打球を打たれたとします。1塁線ライン際のヒットを、ライトが捕ります。この場合、先のランナーを封殺するのに3塁への送球なのかバックホームなのか、カット(中継)に入る位置が変わってきます。ライトの肩も考えます。
又、ランナーの足の速さを考慮に入れつつ、アウトに出来るタイミングなのかどうなのか。もし間に合わない場合、バッターランナーの進塁を阻止するため、セカンドベースへの送球も考えられます。ライトへの打球を見ながら、真後ろで起こってる状況も瞬時に判断しなければなりません。・・・セカンドだけ特別ですけどね。
サッカーは、瞬時に体が動きます。あまり考えません。ボールも、人がいない方(相手の守りが薄い方)に蹴り出していくだけです。ゴールに入れるのが目的なので、実は意外とシンプルなもんです。
相手ボールの時は逆をします。穴(自軍が少ない方)をケアーします。よくサッカー中継で、「〇〇選手はバランスをとってます。」って表現されます。サッカーのルールで難しいのは、「オフサイド」だけです。
さいごに
いかがだったでしょう?経験者ならではの細かい描写にこだわってみました。何で、筆者は一つのスポーツに絞らなかったのか?アメリカ式のシーズンスポーツ志向だったんです。何でも出来た方が楽しいなと思ってたんです。
以上、野球とサッカーの徹底比較でした。