新しい変化球を投げたい! 変化しない変化球
新しい変化球を投げてみたい方、又、野球に詳しくなく野球の楽しみ方を広げたい方に書いています。
まずは、昨今のプロ野球における、変化球の流れから解説します。それでは、どうぞ
従来の変化球
永らく変化球といえば、下記6球種が主流でした。
(右投手の場合)
球種 | 変化 |
---|---|
スライダー | 左にスライド |
シュート | 右にスライド |
カーブ | 左下方に曲がりながら落ちる |
シンカー | 右下方に曲がりながら落ちる |
フォーク | 無回転の為、下にストンと落ちる |
チェンジアップ | 腕の振りは直球だが、ボールは遅い、抜けたボール。沈む時あり |
最近の変化球
しかし、最近のプロ野球では聞きなれない球種が投げられています。単純に、メジャーから輸入した呼称変更もあります。そうでない球種も存在します。
球種 | 変化 |
---|---|
フォーシーム | 直球 |
ツーシーム | シュート回転の直球 |
カットボール(カッター) | スライダー回転の直球 |
スプリット | フォークボール |
スプリットフィンガード・ファストボール | 小さく落ちる 直球 |
ムービング・ファストボール | 僅かに動く直球 |
つまり、変化が大きい三振がとれる変化球から、ちょっとだけ動いてバットの芯を外す変化球に主流が変わってきています。プロ野球が変化したとも言えます。
変化球が変わってきた背景
1990年代位からでしょうか。ピッチャーの肩は消耗品だ、という考え方が主流となりました。メジャーからもたらされた考え方です。投球過多による故障投手が相次ぎ、マスコミも騒ぎ始めました。
具体的には、球数制限が行われるようになりました。先発投手は100球目安で交代。100球には、何の根拠もないけれど、大体6、7回位で交代です。
では、どうしたら、もっと長いイニング放れるか。そんなところから、変化球の主流が変わってきました。少ない球数で、打者を抑える。
三振を取るには3球を要しますが、凡打に打ち取れば1球で済みます。1試合に換算すると81球ストライクを取るか、27球で凡打を打たせるか、という計算になります。
投球過多以外にも投手の故障の原因はあります。変化球を投げる事による肩や肘への負担です。なるべくなら、ストレートを投げるフォームのまま、投球が変化した方がいい。
カットボールもスプリットフィンガード・ファストボールも、曲がりが浅い変化球です。ストレートを投げる感覚で、リリースの時だけ指先の力を変えます。
変化球を投げる時に注力すること
バッターの手元で変化する球を、ストレートと変わらない腕の振りで投げる。
これにつきます。
新しい変化球の投げ方
変化球を投げる時の、動作を分解するとこうなります。基本ストレートを磨いて、たまにちょっとだけ下記の調整を変えて投げてみましょう。千通りのあなただけの新しい変化球が投げられる理屈になります。
- 指をボールの縫い目のどこにかけるか、かけないか
- 指の位置
- 握りの深さ
- リリース時のスピンをどの指にかけるか、かけないか
- 手首をひねるか、ひねらないか
2014年には、先発投手にとって最高の栄誉沢村賞を受賞した、日ハム(前オリックス)の金子千尋投手がこんな本を書いていました。
自身の変化球の握り方や投げ方も公開しています。
変化しない変化球(打者の手元で変化するボール)を投げることを目指しているとの事。参考になるんじゃないでしょうか。
プロ野球 伝説の魔球を投げた投手たち